凛花☆ねいしょん7
2011年05月11日(Wed)
夏実・SS
/7/
本当にこれで良いのか、暗い風景を眺めながら考える。
彼女を犠牲にしてまで、僕は生きて良いのだろうか。
そう思わせることが狙い、とは思えない。
彼女は純粋に興味で、僕のところを訪れていると思う。
興味かそれ以上、何か思うところがあるのかもしれないが悪意は無いと思う。
ちょっとその気になれば、この部屋まで来られるくらいなら外にも出られるはず。
でも彼女はそれを実行しようともしていない。
僕の生は彼女の死。彼女を逃がして新しいクローンを、それは僕の病態的に無理だろう。
だったら僕はどうすればいいのか。
笑って彼女との時間を過ごせばいいのか。
色々と分からなくなった。
彼女はそれで良いと言うが本心なのか、逆の立場なら僕は本当に甘受するのか。
彼女の分も僕が生きる、そんな言葉は意味を持たない。
もう明日しかない。
決断するには遅すぎる、けれど間に合う範囲内かもしれない。
僕はどうするべきか・・・
そんな堂々巡りの思考の中、闇はどんどんふけていった。